新人の仕事にコピー取りを事例に出す研修会社の滑稽なことを理解したほうが良い

人材開発の仕事をしていると、様々なセミナーを受けるのですが、その中でもちょっと違和感を感じることがあったので、それを書きたいと思います。

これは私にとっても戒め的な内容になります。

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新人の仕事には何でも意味があるという内容に対する事例

あまり前フリを長くすると、ダラダラと長くなってしまう可能性があるので、今回はある程度コンパクトに書こうと思うのですが、結論は、「新人の仕事にコピーを取るなんてことはいまどきない!」です。

時代錯誤も甚だしいと思います。

コピー取りの仕事にも意味がある?

研修講師が、新入社員研修の説明をしている中で、「いかにして新入社員の方々に、コピー機を取るという仕事に意味を感じることができるのかを伝えることが研修の味噌、肝(ミソ、キモ)です。」というふうなことをおっしゃいますが、もうそれ古すぎるんです。

今どき、新入社員にコピーを取らせる仕事をさせている企業なんてありません。ってかもしあったらその企業は新入社員研修よりも、IT化、DX化を先に進めたほうが良いです。

もしくは、会議の運営ルールを決めてもっと効率化したほうがいいです。今どき取締役会だって事前資料は役員が自ら持参するか、データとして役員が自身のノートPCやタブレットに入れて会議に臨んでいます。

そんな時代なのに研修講師は、「コピー機が云々・・・・・」なんて言うのはちょっと情報古いです、遅いです。

そういったアンテナの感度が低い方に学ぶのか

もし僕ならばそういったことを引き合いに出して新入社員の研修について説明する研修業者にお願いをすることはしないです。

情報が古いので、今の新入社員に即した研修ができない可能性があります。

これを聞いた人は、「研修には普遍的なことがある。だからその普遍的なことを抑えているのであれば、多少古くてもOK」という方もいるかも知れませんが、本当にそうですか。

トレンドをきっちりと追いかけらていない人を、優秀な人と評価することができるのであれば良いのですが、僕はあまりそう思えません。

では、新入社員の仕事で意味がなさそうで意味のあることって何

では、今の新入社員にとって、一見すると意味がなさそうでも意味があるんだという仕事ってなんなのでしょうか。

正直な話をすると、そんなものないのではないかと思うのです。

今の会社は新入社員でもなんでもやらせる

最近の新入社員は仕事って何をするところなのか、なんとなく知っています。新卒採用では、先輩社員の仕事を公開し、就職活動性に新人はどんな仕事をするのかということをイメージさせようと躍起です。

そんななか、新入社員は自分たちが何をするのか、どういったことを始めるのかということはなんとなくわかっています。

お茶くみ、コピー取り、部長などに新聞を回覧する、なんてどこの昭和の会社の話なんでしょう。そんなもの遺産です、遺産。

だから、新入社員には何でもさせます。設計の仕事であればまず部品の設計、しかも設計上影響の低いものの図面をとりあえずひかせてそれを先輩がレビューするのです。DRも経験させます。ただDRのレベルは新入社員に合わせてある程度下げているはずです。

営業だったら、先輩の同行です。同行ですが名刺交換はして議事録を取らせます。取った議事録は先輩がレビューをして、OKであれば先方に提出をしたりします。その後電話やメールで訪問のお礼をします。先輩によっては次の訪問の機会をどうするのかをまず新入社員に考えさせて、その考えた結果を先輩とディスカッションするのです。

製造ならば製造の現場に経ちます。先輩社員だけではなく熟練の派遣社員などの横について組み立てを行います。それ以外では改善会議や品質会議、安全会議などのシーンで会議メモを取ったりします。

というように、新入社員だからといって雑務をさせることはしません。だって給料払っているんですから。

だから意味のない仕事の裏になにかある、という表現はやめるべき

だから、研修を行っている講師の方々は、「一見すると意味のない」という表現は辞めるべきです。言うのであれば「仕事によっては表向きの意味と裏(真)の意味がある」という言い方に変えるべきだと思います。そうしないとトレンドが理解できないへっぽこだと揶揄されかねません。

後、コピー取りの話は今すぐやめましょう。もう聞いている研修担当も30歳の前半くらいの方は、「?」ってなると思いますよ。「コピー取りって何?」ってね。

研修講師に必要なアンテナ

研修講師に必要なアンテナって、新しいビジネスキーワードや、海外の論文で掲載されている新しいメソッド、最先端企業で実施をしている研修コンテンツを拾うだけではないです。

自分たちが話している話題など古い事例だったりしないかどうか、自分の過去の経験を話す中で聞いている人の常識から外れていることはないか、といったことです。昔ばなしですけどねっていう体で話をしている人は要注意ですよ、気をつけて下さい。

僕も新入社員の前で話をすることが多いですが、そのときに自分の体験談を話す際は、ある程度今の方々にわかるような話に変換しているケースも多いです。

私が学生のときはインターネット回線が貧弱で情報を取れなかったという話も、今の新入社員にとっては全くピンとこないです。だからはなさない。じゃあ何を話すのかというと、今のインターネットはGoogleの検索では一つのキーワードにいろんな種類のサイトがあってどれが正しいのかわからない、情報の取捨選択にとても困るといった話に変換をしたほうがいいと思います。

というようなことはとても重要なことだと思いますので、ぜひ講師の皆さん、または研修担当の皆さん。気をつけましょう。

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