コロナウイルスの影響でかつてないくらい、働き方が変わっていくことが予想されます。
7年前に必死でワークスタイル改革、フレキシブルオフィス、フリーアドレスを推奨し役員から否定されていた頃が懐かしい、大手企業で10年以上人事をしていたdaimacです。
今回は最近のコロナウイルスの影響で新卒採用のやり方が変わってきたこと、webを使った採用についての話が積極的になったこと、今後の採用がどうなっていくのか、また中途採用には影響があるのかについて話をしたいと思います。
コロナウイルスによる新卒採用の状況
ここ最近、コロナウイルスに関する話題は首相の演説であったり、千葉市長の判断ですが、人事としてはやはり新卒採用が直近の関心事かと思います。
なので、僕が最近のセミナーや友人の人事の方から聞いた話などについて共有をしようと思います。
企業主催の合説はどうなるか
リクナビ、マイナビは軒並み合同企業説明会を中止しています。リクナビについては平日の夜のニュースにまでなったくらいです。一方マイナビはリクナビを追いかけるようにして中止の判断をしたことも有り、ニュースに上がらなかったりとちょっと出遅れ感がありますね。
一方学情はこの状況でも合同企業説明会は実施するようです。3月前半に大阪で実施する合同企業説明会には、まだ空きがあるから受け付けますという内容のメールを、いろいろな企業に送って、休眠顧客を獲得しようとしています。
この辺は企業のリスク管理についての姿勢が見えてきますので、学情の合同企業説明会に参加する企業を見ておいたほうが良いかもしれません。参加する企業はよほどのリスク管理ができているのか、ザルなのかという判断ができますから。
大学主催の合説はどうなるか
大学主催の合同企業説明会についても軒並み中止になっていますね。
僕は関西企業の人事をしているので関西の大学しか知りませんが、関西圏の地方国立大大学は中止を表明しています。
私学でいうと立命館大学などは、3月中の新卒採用関係のイベントはすべて中止をしたみたいです。
近大は合同企業説明会を実施するという噂もありますので、まだまだ実施する私学もあるのかもしれませんね。
ただこの状況の中で、京都工業繊維大学は合同企業説明会を実施するということで、各企業に学生がマスクをすることを了解してほしい、企業の採用担当者もマスクの着用を要請、アルコール消毒も設置と、医師や看護師も設置と色々と要望をしています。
ここもリスク管理の有り様を問うているように思いますので、この合同企業説会の結果としてコロナウイルスに罹患した場合、どのような対応を取るのかと言うのはちょっと気になりますね。
企業の説明会はどうなるのか
企業によって取り組みのスタンスは千差万別ですが、例えば私が所属する企業は、通常に実施です。ただ、今後どうなるかわからないので、web化については検討をしています。役員に相談はしようと思います。
関西圏の財閥企業の人事に知り合いがいるので聞いてみましたが、web面接は最終以外で積極的に実施をして、web説明会は今後検討し実施をするということだそうです。
以前僕が所属していた人材派遣の中小企業は、参加人数を少数にして対面型のセミナーをするようです。リスクをへらすという意味ではとても良い手段ですね。
大手の製薬会社はweb説明会を積極的に活用するようです。こちらも僕は所属をしていましたが、グローバル会議が頻繁に行われていたので、web面接、web説明会に対する企業側の懸念はないようです。
企業の説明会でweb化するかどうか(アンケート結果をちょっと公開)
僕が知っている企業、友人の企業などの情報は先程お話をしましたが、もう少し広く調査した結果はあるのでしょうか。
あるセミナーでのアンケート結果
先日「コロナウイルスの対策としてのweb面接」のようなウェブセミナーに参加をしました、延べ100ユーザーが参加をしたセミナーですが、そこでチャットの機能を使った簡易のアンケートを取ったのでその結果を報告します。
100のユーザーが、どういった業種なのか業界なのかは不明ですが、3割がそのまま実施、3割がweb面接、web説明会を実施、3割が新卒採用を延期、見直しだそうです。
見直し、延期という企業が意外に多かったのは、コロナウイルスが原因で業績がかなり悪くなっているために、採用を見直すという企業のようですね。
web化の範囲
またウェブ化の範囲ですが、面接で最終面接までwebで行っている会社はとても少ないようです。例えば、エン・ジャパンは最終面接までwebでしているということをどこかで聞きましたが、最終面接をwebというのは違和感があるようです。
なので、もし役員に承認をもらうのであれば、一次面接のみwebにするということで承認をもらい、その間にコロナウイルスが沈静化するという予測を立てて採用を進めるというのが妥当ではないかなと思います。
また説明会については、Youtube Liveをおこなう企業というのは少ないようです。リクナビやマイナビといったナビに説明会の様子をアップして、エントリーをした人のみに公開するという手を使っているみたいですね。
Youtubeにアップすると、かんたんに動画がダウンロードされ、自分たちの知らないところで、動画が活用されてしまうといった危険もあるので、公開するコンテンツは要検討だと思います。
web面接、説明のサービス企業について調べた
2月になりコロナウイルスがどんどんと日本の中で浸透するにつれてweb面接やwebセミナーの仕組みを提供する会社がどんどんと出てきました。
2月になってからこのあたりの営業電話が増えているのは明らかですね。1月はほとんどなかったですが、2月になって10件近いテレアポを受けましたから。
テレアポを受けて、説明を受けた企業の中で少しだけ印象に残っている企業がありましたのでここで紹介をしたいと思います。
HARUTAKA(ハルタカ)
https://harutaka.jpweb面接と動画面接と候補者管理や事前質問を設定して、応募者にそれを受けさせてからwebによる面接へと誘導する機能、録画面接の機能などがあります。
損失採用については、人混みを回避した採用活動というキーワードで、積極的にホワイトペーパーをダウンロードしてもらったりと、ここでシェアを取ろうという思いを感じます。
導入企業としては、LINEやカルビー、東京メトロ、JT、三井住友海上などの名前があります。
インタビューメーカー
https://interview-maker.jp株式会社スタジアムという会社が提供しているのがインタビューメーカーというシステムです。
スケジュール管理や録画機能がついています。動画選考という名称で応募者が動画をエントリーシート代わりに使用するということもできるそうです。
応募者のステータス管理もできるようですね。
求人票の管理もできるので、BizRearchのHRMOSに近いかもしれません。機能だけ見ていると新卒用よりも中途かもしれませんね。
導入実績としては、マクドナルト、ANA、松屋、ヤマダ電機、キューピーなどですね。HARUTAKAよりもちょっと導入企業の格が落ちているような気がします。
viewhub
FacePeer株式会社という会社が運営してるサービスです。あまり大きな会社ではなさそうですね。
機能としては、ハルタカやインタビューメーカーとそんなに変わりませんね。というかどちらかというとハルタカよりかもしれません。案件管理や応募者管理の機能はあまりなさそうに見えます。
導入実績はマイナビ、エン・ジャパン、などですね。三井住友海上もありますね。三井住友海上はハルタカも使用しているみたいなので、一社がひとつのサービスを使用しているわけではなさそうです。
Lognavi(ログナビ)
https://www.lognavi.comここはweb面接ではないですが、インターネット上で動画によるセミナーを企業がアップロードしてそれを学生が見るというサービスのようです。
Youtubeのようなプラットフォームを作ろうとしており、かなりチャレンジングなことをしようとしています。
web面接はちょっとしんどいけど、webでの説明会をしてみるにあたってまずは自社で作った説明会飼料をアップロードする場所としては良いのかもしれません。
敷居が高い?そんなことないweb化
web面接の仕組みを導入しようと考えている企業は、敷居が高いと思っている企業は多いのでしょうか。また、学生はそんなにリテラシーは高くない、web説明会はなれていないのでしょうか。
答えとしてはそんなことはないと思います。
企業がweb面接は得意です。
最近の企業は出張費の削減で、webによる面談会議を頻繁に行っています。
7年以上前からwebを使用したテレビ会議を行っている企業を知っていますし、15年以上前から複数拠点感で電話会議をしていることを考えると、相手がその場所にいないと商談ができない、打ち合わせができないというわけではないと思います。
ただ採用については、相手と合わないと判断できないという思考を持っている方が多いのは事実です。
内定を出すのは絶対に対面という人もいますが、選考フェーズによってはwebでも問題ないという方が多いのは事実です。
学生はリテラシー高いですし、web面接・説明会は慣れっこです。
学生についてですが、webによる面接について抵抗感を持つ学生は少ないと思います。
その理由は3つあります。まずひとつは最近はアルバイトの面接をweb化しているところが多いため、すでにweb面接経験済みの学生が多いということ。
もう一つは最近は大学の講義がweb化されているものもあるために、当たり前という発想があるということ。
最後に、塾などでもオンラインや動画授業が主流になっており、若いうちからそういったkな教に身をおいているために、web化といっても学生にとっては特に違和感があるというわけではないということです。
次年度以降もコストを抑えつつweb化するならばこれしかない
企業も、大学生もweb化についてはどんどん抵抗感がなくなっている、かつコロナウイルスでweb化の必要性が高まっている。こんな中でweb面接、web説明会をする企業はどんどん増えると思います。
そしてweb面接、web説明会のシステムを提供している企業も2020年度の採用については無料でサービスを提供しますという営業スタイルを出しているようです。
ただこのスタイル、ドツボに嵌ります。一度導入すると他社への乗り換えが難しくなるために、ずっと同じサービスを使い続けることになると思います。
なので初年度が無料だからといって安易にサービスを使わないほうが絶対にいいです。これは気をつけるべきだと思います。
では、どんなサービスを使うのか
僕としててweb面接、web説明会のツールとしては、既存のウェブ会議システムを活用したほうが良いというのが僕の意見です。
例えば、ビジネスSkypeやZoom、webExといったものです。
僕はビジネスSkypeやZoomは使ったことはないですが、webExは使ったことがあるので、このツールを使って、どうやってweb面接やweb説明会を実施するのかをちょっと説明したいと思います。
webexを活用してweb面接、web説明会をする
webExは基本的に複数拠点のテレビ会議を実施する機能を持っています。10拠点くらいは僕が所属している会社でも行ったことがありますし、webExの機能としても十分耐えることができると謳っています。
また、資料共有の機能もデフォルトで持っていますので、web説明会をすることも可能です。
チャット機能についても複数人数でのテレビ会議でも行うことができることまでは確認しています。なので、web説明会でもチャットを使って参加者の意見を聞くこともできます。
webExでできないことはどうする
ただ、応募者管理については機能を持っていないので、それはマイナビやリクナビを使用することによって、応募者管理をすることができます。
求人票管理は、中途採用で結構大事なことですが、これは既存のサービスを使ったほうが良いかもしれません。例えばHRMOSなどです。ジョブカンやi-webなんかもあるみたいですね。
面接や説明会はweb化が浸透するが既存システムを活用して乗り切ろう
結論としては、2020年度の採用はweb化は必須事項になってくると思います。コロナウイルスの影響はどうしても払いのけることはできません。
その勢いで2021年度以降もweb化は進んでいくでしょうし、業務効率化のために面接や説明会の運用コストを削減する方法としてweb化は大事になると思います。
ただ、単にweb化をするために新しいサービスを使うのではなく、従来使用していたweb会議のシステムを上手く活用することで、ある程度のウェブ化を勧めることができると思いますし、役員の決済を取るのもそのほうが容易いと思います。
今あるものをうまく活用しながら、来たるべきweb化を進めていってください。この記事が人事の方々の2020年度の採用の糧になることを祈っています。
コメント