役職定年(役定)のない会社に入って高額の生涯年収をゲットすれば2,000万円問題も関係ない

人事コンサルタントや事業会社の人事担当を長年やっていると、いろんなことがわかってくる、大手製造メーカーで人事を10年以上やっているdaimacです。

キャリア採用が活発に行われ、転職をするということが当たり前になる昨今。

大きな収入を求めて転職される方は多いと思います。

私もその口ですし、一時は日本の超有名な会社に籍を置いていた時代もありました。

ただ、今は地元の中堅企業に勤めており東京、グローバルという雰囲気からは少し遠ざかっています。

こういうキャリアの話をすると決まって言われるのは、「大手を辞めて収入減って大変」とか「もったいない」というような残念感の多いコメントですが、たしかに少しもったいないなと思うこともありますが、本音いうと大手から中小企業に移ったことについてはあまり残念に思っていません。

それは今の会社には役職定年(通常「役定」)がないからです。

役定がある会社とない会社では生涯年収で差が生まれるということ、人生プランにおけるややこしさがないということ、この辺りが今回のブログを読んでいただく際のポイントになるかなと思います。

そんなにややこしい話ではありません。今回は役職定年についてお話をして、役職定年がある会社とない会社の年収的な違いについて生涯年収という概念を使って説明をします。

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役職定年とは

若い方にはあまり聞き慣れない言葉ですね。また外資系の企業にお勤めの方もあまり意識されないキーワードだと思います。

役職定年とは文字通り役職のみ定年になるという仕組みです。つまり役職者じゃなくなり一般社員と同じ処遇になるということです。

役職定年は通常の会社定年とは違い60歳になる前に起こります。一概にいくつという定義はないのですが、一般的には52歳や53歳になると役職から外されることが多いようです。

ネットではなんと言っているでしょうか。

役職定年とは、ひとことで言えば、定年の前に、一定の年齢に達したことなどで、管理職から外れることを言います。

厚生労働省の「賃金事情等総合調査(退職金、年金及び定年制事情調査)」によると、慣行による運用を含め、大企業のうち、ほぼ半数の企業が役職定年制を導入しています。

まぁ間違ってはいないようですね。僕の感覚だと半数以上が導入しているように思います。

ではこの役職定年は会社にとってどんなメリットがあるのでしょうか。

役職定年の企業側のメリット

というわけで在籍期間中に役職だけ解かれるのが役職定年ですが、メリットはあるのでしょうか。今回は企業側から見たメリットについて説明します。

次期役職者への椅子を空ける

これは企業としては従業員のモチベーションを上げるという意味では働く社員にとってもメリットとして考えても良いのではないでしょうか。

課長がいるから自分が課長に上がれない、いつまで経っても課長になれないということがあります。

その課長が定年になるのを待つよりも早いタイミングで課長になれる可能性が上がるわけです。これはメリットと考えて良いと思います。

人件費の抑制

役職定年の仕組みは人件費の抑制であるという話もあります。

正確には抑えるというよりも一定にすると言った方が

役職定年により、一旦その人に払う給与は下がりますが、すぐに別の方が役職者になるので、給与は上がりますし、そうなると人件費はあがります。

ただ、人件費が上がり続けるということはほぼないので、人件費の安定化には寄与すると思われます。

早期退職へのきっかけづくり

これはとてもネガティブな話ですが、役職定年をつくると途中で年収が下がりますから生活できなくなる、生活が苦しくなります。

そこで一念奮起して転職をします。つまり退職をするわけです。

50歳代の方の転職というのはかなり難しいと思います。

それでも役職定年の年収低下の現実は大変で、そのために会社を辞めることになる方がいるわけです。

嫌な言い方ですが、いなくなれば人件費も下がるわけですから会社としては役職定年をすることで、大きく人件費を下げることができるわけです。

役職定年によって生涯年収が変わるのか。

今からは少し趣向を変えた話をしたいと思います。

役職定年に対する話をずっとしましたが、では役職定年が生涯年収にどう影響するのかについて紹介します。

また、生涯年収がある大企業と生涯年収がない中小企業の違いについても説明します。実はこれ結構大事だと思います。

役職定年ありの大企業A

まずは役職定年がある企業Aについてです。この企業は俗に言う大企業です。まぁ日本を代表すると言っても良いと思います。

年収のイメージとしては以下のようになります。

大企業Aに就業している従業員の年収イメージ
年齢 役職 年収
45歳 課長 950万円
50歳 部長 1100万円
55歳 役定 700万円

43歳から60歳までの生涯年収を計算すると以下のような計算式になります。

950*5+1100*5+700*5=4,750万円+5,500万円+3,500万円=13,750万円

こうしてみると課長になる45歳から定年である60歳までの27年間ではありますが、生涯年収は1億3,750万円になります。これが多いのか少ないのかについては、色々と意見があるとは思いますが、この話になると別で記事を書かないといけないくらいになりそうなんで、ご勘弁いただきます。

やはりここでのポイントは55歳で年収がガタンと下がってしまうことです。これは結構辛いですね。この下げ幅は平均的かなと思いますが、もっと下がるケースもあります。

役職定年なしの中小企業B

次にご紹介するのは、中小企業ですが役職定年はありません。

生涯年収のない企業はないわけではありませんが、やはり企業規模は小さいと思います。

中小企業B(役定なし)に就業している従業員の年収イメージ
年齢 役職 年収
43歳 課長 860万円
50歳 部長 960万円

中小企業なので課長になる年齢は、若いうちからなることができると考えて、43歳にしてみましたが、43歳から60歳までの生涯年収ですが、計算してみるとこんな感じになりました。860*7+960*10=6020万円+9600万円=15,620万円

役定があるとないとではえらい違い

単純な計算なのでこれが100パーセント正しいかといわれると自信はありませんが、ある程度はあっていると思います。

このポイントは精神的な安定感が得られるというものです。

50代というのは結構お金がいる時期です。子供が大学受験や高校受験という状況にある家が多いと思います。

そんな中でいきなり年収が下がってしまうというのがあまりにも辛いです。

最近は、年金以外に2,000万円のお金が必要だと言われていま。生涯年収という考え方は老後の生活を考える中で重要なファクターになるはずです。

役職定年を踏まえて就業を考えましょう

人事の人間がいうことではないかもしれませんが、自分の会社が役職定年があるのかないのかというのは長期就業をするための大きなポイントだと思います。

確かに仕事内容もそうですし、現在得ることができる年収の額についての十分検討しなければいけません。お子さんが塾に通う、大学に進学するという時期に年収が低いというのは正直不安なことも多いと思います。

ただ一生のうちにもらうことができるお金というのは一体いくらくらいなのか、大手と中小ではどれくらい違うのか、この観点で、自身のキャリアを考えるというのもとても大事だと思いますし、ぜひ参考にしてもらいたい考え方だと思います。

人事としてもこの会社が役職定年があるのかないのかについて明確に従業員に言っていません。

もし長く働くのであれば、就業しようとしている会社が役職定年があるのか、ないのかについて一度よく調べてみることをおすすめします。

その上で、生涯年収について調べてみてください。

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