採用という仕事は人事の仕事の一部ではあるのですが、採用の仕事は評価や労務、精度の仕事とは結構かけ離れているために潰しが効かない仕事だなとつくづく思い知る、daimacです。
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中途採用の仕事をしていると、人材紹介会社のエージェントからいろいろな話を聞くことが有り、今世相を結構反映しているというか、大変だなと思うことが多いです。
その中でも今回は、人材紹介会社が悩んでいるキャリアアドバイザー不足の話とAI化の波の話についてしたいと思います。
人材紹介会社も働き方改革
僕が昔から持っている人材紹介会社の仕事の仕方のイメージというのは、始業直後と終業直後の架電、休みの面談というように、今の働き方改革からは少々遠い仕事の仕方をされていたように思います。
ただ最近は、ちょっと違っているようですね。昔のように何が何でもお客様についていくというよりも、お客様の働き方や業務スタイルに応じて、人材紹介会社も臨機応変に変わっていくという方向になっているようです。
平日休暇を取り代理は事務スタッフが一部受け持つ
僕の知っている人材紹介会社は、木曜日と日曜日に休暇を取られています。その代わり土曜日に応募者と集中して面談をするなど、週休2日というスタイルは守っているようです。
人材紹介会社もサービス業となんら変わりないですからね。平日勤務をしている人が休みの時に働くというスタイルにならざるを得ないのであれば、平日休みというのも納得できます。
朝は遅めにスタートで夜活動で勤務時間をずらす
これも僕が知っている人材紹介会社の話ですが、始業時間が9時30分スタートだそうです。
8時間勤務なので、18時30分終了ということになります。たいていの会社は17時30分か18時00分までが定時なので、それよりも少し時間をずらすことで、応募者が自身の定時後に紹介会社に連絡しても窓口対応ができるようにしているということです。
昔は、営業もキャリアアドバイザーも同じ方が行うケースが多かったのですが、今は分業になっているようですね。どちらがいいかは賛否あるかもしれませんが、クライアント的に情報がきっちりと共有されているのであれば、分業されていようがされていなかろうがあまり気にしません。
キャリアアドバイザー不足からくる業務効率化の余波
ある大手の人材紹介会社の営業の方から聞いた話です。
キャリアドバイザーが不足している
どうもキャリアドバイザーが足りていないそうです。
最近は求職者もどんどん増えていて、相談に来る方が多いようです。にもかかわらずキャリアアドバイザーは少ない。
なんででしょう。そんなに人員が少ないイメージはないのですが、キャリアドバイザーに。
ただ人材紹介会社としては、営業職にばかり注力してしまい、キャリアドバイザーにはあまり注力していない現状はあるのかもしれませんね。日本の会社はどうも営業偏重の傾向がありますから。
キャリアアドバイザーは激務?
キャリアドバイザーの人数が増えないのに、求職者は増えるとどうなるか。自ずと分かるかと思いますが、結局はキャリアドバイザーの負荷が増えるわけです。
キャリアドバイザーの作業負荷が増えると、どうしても激務になる。残業時間が増えてしまう、それを苦に辞める人もいるかも知れません。
やめてしまうと、またキャリアドバイザーの人数は減るので、一人あたりの仕事量が増え、激務に。悪循環ですね。
業務効率化を図るとサービスレベルが落ちる
一概には言えないことだと思いますが、業務効率化を実施した最初のうちはどうしてもサービスレベルが落ちてしまいます。
例えば、その話を聞いた大手人材紹介会社は、業務効率化のためにキャリアドバイザーの質問シートの項目の量が減ったそうです。転職の理由などについては聞くことなくカウンセリングを終了させるそうです。
他にも色々と質問項目は減っているそうなのですが、そうなるとクライアントである求人掲載企業は知りたい情報が知れなくなってしまいます。わからないので改めてエージェントに確認するわけですが、時間がかかるわけです。
採用スピードに直結するので、できれば求職者を紹介してもらう段階で転職理由などは知っておきたいのですが、それができないとなると顧客へのサービスレベルが落ちてしまうという結果になります。
効率化と改善を続けると、段々とそのサービスレベルの落ち込み度合いが減ってくるのですが、まだ過渡期なので今のその人材紹介会社のサービスレベルはかなり落ちてしまっています。
応募者の企業選定をAIで自動化
どうも話を聞いていると応募者を見て、企業選定をするという機会が少しずつ減ってきているようです。具体的には人材紹介会社は、求職者の情報をAIが取得し、データを分析した結果、AIが求職者に適した企業を割り振っているそうです。
それにより、人材紹介会社が応募者についての情報を大量に取得することなく求人企業を選定することができるようになっているというのも弊害の一つではないかなと思います。
現に、大手の人材紹介会社はAIを使って求人企業と応募者のマッチングをしています。AIに理解させたい(AIが理解できる)情報は転職理由といった大量のテキストデータではないとするならば、転職理由というのは求人企業と応募者をマッチングさせるための情報としてはあまり適している情報ではないかもしれません。
というように求職者の情報は、AIが求職者に適した企業を提案するための情報であり、求人企業の人事にとって大事な情報とは違うということになってしまっているかも知れません。
人材紹介会社は二極化されるかも
これはAIがビジネスの中に深く浸透すると起こることなのかもしれませんが、今後は人材紹介会社が二極化されるかもしれません。
大量採用に特化したAI型
例えば年齢でいうと40代まで。職種も営業職や事務職。年収も500万円クラスの人材については、求職者も案件も大量にあるので、その大量の情報をうまくさばくための手段としてAIが進化する可能性が高いと思います。
こういった大量採用型は大手がシェアを採ると思われます。大量の求職者データ、求人企業データが無いと、AIの精度も上がらないからです。
専門特化した従来型
一方で、40代以上。年収は600万以上。特殊な職種といった求職者や求人情報が少ない、または定性的なデータが求められる案件などについてはAIは有効とは考えにくく、従来の人材紹介会社のやり方が幅を効かせ続けるだろうと思われます。
結論、大手人材紹介会社は満足度がいったん少し下がるかも
結論としては、人材紹介会社は求人を出す企業に対するサービスが少し低下するように思います。というか、今までがサービス多寡だったのかもしれません。必要のない情報までの出し続けていたかもしれませんね。
ただ、その必要多寡な情報を常に欲している企業がいるのもしかりです。その辺の企業向けに対してもきっちりとしたサービスをしたほうがいいと思います。例えばの話ですが、人材紹介会社の出す情報、サービスの質について松竹梅を付けて、費用を変えるなどです。
そうすることで、求人企業の人材紹介会社に対する満足度もある程度維持されるのではないでしょうか。
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