この方法が本当に良いのか、正直言って難しい話ではあるのですが、新卒採用で一つ面白いやり方があるので、少しご紹介したいと思います。
この方法をとる場合は、採用担当者の人間性がとても重要なファクターになりますので、採用担当者が魅力ある人材であることが唯一無二の実施条件になります。
今回はその辺の話をしたいと思います。
この話は、内定出しから内定受諾までのプロセスに効果的な施策について説明しています。
看板娘(息子)を作るということ
少しばかり雑な言葉を使ってしまいましたが、簡単に今回の施策を説明すると、採用における顔として若手のスタッフにになってもらうというものです。
要するに、学生にとって当社のイメージはそのスタッフが作り上げる、会社の顔になるということになります。
就職活動生にとって会社の顔というかイメージというのはどうしても新卒採用担当に依存してしまうというものがあります。なのでそれを逆手に取って、採用担当が企業イメージをうまく学生に伝えるというものです。
では、どうやってそのイメージを付けるのかそのへんについて書いていこうと思います。
どうやって作るのか
あまり難しい話ではないのですが、いちばん大事な点というのは、どう見せたいのか、企業のイメージはどうするのかという点と、就職活動全体をサポートする人材というものだと思います。
今回はこの2つについて詳細を話していこうと思います。
どう見せたいのか、企業のイメージはどうするのか
こうした新卒採用において採用担当が会社の顔になるためには、まずはイメージとしてどのような売り出し方をするのかというのが重要になります。
例えば、ある会社であれば若手の離職が多いのでリテンション策として人当たりがよくて面倒見がいい方を選びます。
女性活用を推進したい、情勢管理職を将来増やしたい企業であれば、採用担当者は女性にして、女性の採用を増やすということもできるかもしれません。
グローバルを推進したい企業ならば採用担当を外国籍の方にするのもありだと思います。
何がしたい、どうなりたい、どのように採用をしていきたいのかについて考えると担当者をどうするのか、採用戦略をとるのかについて、見えてくるものがあると思います。
余談というか、少し横道に逸れますが、昔僕がある人材派遣の採用担だった時に当社に興味を持ってくれる人材を作るためにファンを作るという目的で採用活動をしていました。当社に入らなくても当社のことを知ってもらい、好きになってもらう、将来当社をビジネスパートナーに選んでもらいたいという目的を持ってのことです。かなり長期的な話ですが、一定の効果はあったかと思ってます。
就職活動全体をサポートする人材
先ほど、話をした事と関係あるのですが、当社を受けてもらった際に就職活動全体についてのアドバイスをするというものです。
ファン化ともいうのですが、人事の方がする就活のアドバイスというのは学生にとってとても印象深いものです。
それによって当社に対してポジティブな印象を持ってもらい最終的には当社に入社してもらうというのが大きな目的になります。
就活に対する知見や経験、的確なアドバイスをするスキルが必要ですが、人事の採用担当としては適切なスキルだと思いますので、身につけておいてもよい事だと思います。
効果は結構ある
このやり方は効果としてとても大きいと思います。
時々期せずしてヒーローになってしまうケースもあります。企業としてここまで計画的にしていなくても採用担当の素養と経験のおかげです。
ただ、僕はこれを企業としてしっかりプロデュースしてあげる必要があると思ってます。
もう少し具体的な話をすると、過去に僕の担当していたお客様((人事コンサルをしていた頃の話です。)で、新卒採用の内定出し後のグリップ力が強くないという事なは悩まれている会社がありました。
そこで、その採用担当者に面倒見の良い兄貴分で頼れるナイスガイ(表現古い)という役割をつけて、最終面接あたりから学生に対していろんなサポートをしていくようにし向けて行きました。例えば就活全般や大学生活、時には単位取得のための学習サポート、付き合ってる彼女の相談まで受けるようにしました。
結果として、内定者にとってその採用担当者はまさにアニキとして慕われ、内定承諾率が上がりました。
また、理系の学生を採用する企業の採用支援を行った際には、面倒見の良い優しいお姉さんという人物像の採用担当を作り、辞退率の防止と入社後の3年以内の退職率防止に寄与したりもしました。
どういう人がふさわしいか
というように採用担当にはシチュエーションを作ってあげてそこに徹底して務めるというやり方が良いという話をしましたが、ではどういった方が、この取り組みにふさわしいのでしょうか。
性別は関係ないが、、、
性別はあまり関係ないですよ、と言いたいところでありますが、関係あるところもあります。
やはり採用担当は男性よりも女性の方が良いかもしれません。男性よりも女性の方が役割を演じきることができるというの理由ですが、まだまだ会社には男性方が多いので、別姓の方のほうが相手しやすいというメリットも考慮してのことです。
自信がある人
ある程度自信のある方のほうがこう行った役割にはあっているかもしれません。
なりきるというのは何をするにしてもポイントです。ただ、自信がなかったとしてもこちらが自信をつけてあげて役割を演じやすくすることは可能だと思います。
自分の言葉で語れる人
これはなかなかいませんね。日本人ならば特にそうかもしれません。
会社はこういったメッセージを出している、でも私はこう解釈するなんていうことが言える方々はこうした役割に適していると思います。
会社に対して肯定的、否定的なメッセージがきちんとできること、否定的なメッセージを発信する際は会社批判にならない、真実を伝えるだけの力があるということ。つまり事実と推測をきちんと分けることができる人が条件ということになります。
年代が近い人
まぁこれは近い年代の方が感覚を共有しやすい、メッセージが伝えやすいし、受け取りやすいということです。
ただ、同年代の方が良いということであって同年代でないといけないというわけではないです。
40代であっても学生に寄り添える人もいると思います。20代後半でも学生が理解できない人もいますから。
気をつけないといけないこと
最後にこうした採用担当者を英雄化する採用方なはついて注意するべきことについて書きます。
大したことではないかもしれませんが、意外と難しいと思いますので、意識してこの取り組みに注力してみてください、
世代交代はしましょう
これは会社側のが意識することですので、比較的簡単なことだと思います。
私自身は採用担当というのは大体5年くらいが妥当な期間だと思っています。
長く続けることで、ノウハウが固定化されてしまうことを懸念しますが、もっと大変なことは採用担当者のキャリアプランの芽を摘んでしまう危険をはらんでいます。
新卒採用担当というのは人事の仕事の中でも少し特殊なのかなというのが、僕の感想です。
同じ系統の仕事に中途採用担当の仕事もありますが、といっても新卒採用は独自色の強い仕事だと思います。
なので、キャリアを考えたときに次の担当にしづらくなります。人事としては評価、労務、研修といったところまでしてもらいたいのに新卒採用しかできない社員が出来上がってしまう可能性が出てきてしまいます。これは、とても不幸なことです。
また、年齢としては30歳までにはやめた方が良いと思っています。
学生との距離感がつかみにくくなるのが、30歳あたりかなというのが、理由です。
自身の会社としての役割も少し変わってきます。若いうちは好きなことを言っても問題ありませんでしたが、30歳になってくると組織のため、会社のため、自身のチームのため、色々なしがらみが発生してきます。発言しにくい環境の中で採用担当として歯に絹着せぬ発言ができないのは採用担当等としてのパフォーマンス低下につながります。
勘違い学生は作らないようにしましょう
これは採用担当者が気をつけていてもなかなか解決されないことですが、学生に対しての情報発信の際は気を付けて発信するようにしたほうがいいという話です。
もう少し具体的な話をすると、採用担当者のイメージが会社の従業員のイメージとなってしまうがゆえに学生が勘違いをしてしまうケースがあります。この勘違いはちょっと気を付けないといけません。
採用担当者は新卒採用の担当であり会社の代表ではありません。ましては会社の社員のイメージ像でもありません。
ただ悲しいかな、学生は一次情報をその会社の本質的な情報と見てしまい、勘違いを起こしてしまいます。これはいただけません。
なのでこう言ったことがないように採用担当者として先輩社員を駆使して情報発信を行い、正確な会社のイメージを学生に与えてあげるべきだと思います。
新卒採用の広告として会社の広告として
今回新卒担当者をヒーロー、英雄化して会社の顔、採用の顔として学生に対して訴求できるキャラクターにするという話をしました。
新卒採用は広告宣伝の勝負だとも言えるのではないかと思います。
いかにうまく正しい情報を学生に伝えるか、そのためのツールとしてナビがあるのですが、そのナビを使うことが勝つためのポイントだと思っています。
僕はその勝ちパターンとして採用担当者の有効な活用法をお伝えしてみました。
皆様も一度ご検討されてみてはどうでしょうか。
うまくやることで、絶大な効果を発揮できますからオススメですよ。
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